MEOの基本と具体的取り組みを知って、営業会社に騙されるのを防ごう、というお話し
こんにちは、株式会社HUMOの高濱です。
近年はMEO(Map Engine Optimization)と呼ばれる、「Googleマップ検索に特化した最適化」に関する相談を受けることがあります。
どうして相談を受けるようになったかと言うと、MEO業者が動物病院に営業電話をかけたりやチラシを配布し、「やった方がいいのかも?」と思われる先生が増えているからです。動物病院に限らず、その土地に根ざした商売をやっている会社には営業が入っています。
確かに、MEO施策は取り組んだ方が良いですが、業者に任せるほどのものではないと私は思っています。なぜなら、MEO対策は院内でも十分に対策可能だからです。
私の知り合いの動物病院さんでは、MEO業者に毎月お金を支払っていましたが、実際にMEO業者がやっていたことは、グーグルの規約違反のことでした。。(このような悪徳業者も多いのが現実です)
なお、私自身が「本当に良いと思う」MEOツール・サービスもあります。ただ、そのようなものを使うのはできることを全てやってからで遅くありません。
今回は、MEOとは何なのか、どういった対策方法があるのかについてご紹介します。
ページの最後に「これだけはやってほしい」というものを書いていますので、是非チェックをお願いします。
皆様自身がきちんとした情報によって身を守れるようになっていただきたいと思っています。
MEOという言葉がチヤホヤされるようになった背景
MEOとは何かについて触れる前に、なぜ近年これほどまでにMEOという言葉を耳にするようになったかについてご説明します。
それは、売る側にとって「簡単に儲けられる」「いい営業ツールになる」からです。
(悪徳な業者が多いため本記事では悪徳業者についてよく触れますが、誠実に良いサービスを行っていらっしゃる会社さんもあります)
簡単に儲けられる、というのには3つのカラクリがあります。
カラクリ1:元々何もやってこずに酷い状態だったものが、「一般的な状態」になったことで結果が出たと見てもらえる
今まで何も対策をしてこなった動物病院さんがMEO業者に依頼をされたとします。今まで何もしてこなかったので当然地図の順位は低かったのが、業者が対策をしたことで、ある程度いいところまで順位が伸びることがあります。
動物病院側からしたら、「結果が出た!」ということになりますが、実はそのレベルには簡単に達することができるのです。
もちろん、MEOについて調べる時間も惜しく、専門分野は専門の業者にお願いする方が効率が良いという考え方はありますが、必要最低限対応することは難しくないのでまずはやってみることをお勧めします。継続的にグーグルマイビジネスを更新することが理想ではありますが、そこまでできなくても最初の一回だけ対応する形でも順位が変わる可能性があることは知っておいていただきたいです。
カラクリ2:コンサル会社が「秘密のレシピ」を持っているような見せ方ができる
コンサル会社の中には、MEOについて特別な情報を持っているかのように見せて、自社の独自性・優位性を高めようとするケースがあります。
例えば、このようなことで広告を出しているコンサル業者もあります。
・クチコミは○件以上集めろ!
・クチコミは○点を目指せ!
このような小手先の件数や点数には意味がありません。継続的に飼い主様が感想を書いてくださるような病院作りを行っていれば、自然と件数やクチコミはついてきます。(クチコミを集めるためのポイント・ノウハウは存在します)
カラクリ3:MEO業者が指定してくる「ターゲットキーワード」に競合がそもそも殆ど存在しない
特定の検索キーワードで上位表示した際に報酬を請求する「成功報酬型」の課金モデルの場合によく見られるのがこのケースです。
動物病院はローカルビジネスのため、ターゲットとなる検索キーワード(「麻布十番 動物病院」など)を決めたうえで、MEO施策が実施されることになりますが、そもそもその検索キーワードにヒットするであろう動物病院の数があまりなかったり、ライバル動物病院がMEOの取り組みをやっていない場合は、順位が上がりやすくなります。
本来動物病院側で少し対策すれば結果がついてきたであろうものの、お願いしてしまったばかりに、業者のおかげで結果が出ていると勘違いしてしまいやすくなります。
MEOとは何か
前置きが長くなってしまいましたが、MEOについて説明します。
MEOとは、グーグル検索結果に表示される地図において、貴院をより上位に表示させるための取り組みのことです。例えば、「渋谷 動物病院」というように、飼い主様が使うキーワード(言葉)で検索をすると、広告の下に、地図が表示されて、動物病院名が3つ表示されます。(その下に「すべて表示」というボタンがありクリックすると、そのエリアの地図上にある動物病院一覧が表示されます)
理想的なのは、キーワード検索のあとに表示される3つの動物病院の候補に入ることで、そこに入れないにしても、「すべて表示」ボタンをクリックして表示される動物病院一覧で、可能な限り上位を取ることが望ましいです。
Google Mapの順位は「Google マイビジネス」をベースに決定される
Google Mapのランキングを改善するためには、「Google マイビジネス」の情報を管理・更新する必要があります。
Google マイビジネスの機能は無料で利用できますので、利用しない手はありません。
Google マイビジネスとは、グーグルで自身の病院名を検索したときに、PCから閲覧の場合は検索結果の右側に表示される自院情報のことです。病院の住所や電話番号といった基本的な情報から、クチコミ情報やイベント情報などを管理することができます。
まだ登録を行っていない方はこちらから登録してください。
MEOに取り組むにあたり、考えるべきことはGoogleが公表している
MEOの業者と言ってもきちんと誠実にサービスを展開されているところもありますが、そうではないところも多く、MEO業者のイメージが悪いのも事実です。そういった悪徳と認識されている業者の中には、その業者だからこそできる秘密があるようなことを説明してくるケースがあるのですが、そのような魔法のようなことは存在しません。
MEOにおいて推奨される取り組むべきことは、Googleが公表しています。MEOとは何か、どういう対策をすべきかについて具体的に、詳細に記載されているため、MEO業者にお願いするかどうかを悩んでいる方は「必ず」確認されることをお勧めします。
※MEOやGoogleマイビジネスについては、関連書籍もたくさん出ています。1冊読んでおけば必要十分な知識を得られます。
Googleが公表しているローカル検索結果ランキングに使用される3つの主な指標
上記に紹介した「Googleのローカル検索結果の掲載順位を改善する」ページでは、ローカル検索結果のランキングが決定される仕組みについても触れられています。以下、そのまま文章を引用します。
関連度
関連性とは、検索語句とローカル ビジネス プロフィールが合致する度合いを指します。充実したビジネス情報を掲載すると、ビジネスについてのより的確な情報が提供されるため、プロフィールと検索語句との関連性を高めることができます。
距離
距離とは、検索語句で指定された場所から検索結果のビジネス所在地までの距離を指します。検索語句で場所が指定されていない場合は、検索しているユーザーの現在地情報に基づいて距離が計算されます。
(高濱補足:検索キーワードに含まれる地名と、病院の場所がかけ離れていると表示がされにくい、という意味です)
知名度
知名度とは、ビジネスがどれだけ広く知られているかを指します。ビジネスによっては、オフラインでの知名度の方が高いことがありますが、ローカル検索結果のランキングにはこうした情報が加味されます。たとえば、有名な博物館、ランドマークとなるホテル、有名なブランド名を持つお店などは、ローカル検索結果で上位に表示されやすくなります。
ビジネスについてのウェブ上の情報(リンク、記事、店舗一覧など)も知名度に影響します。Google でのクチコミ数とスコアも、ローカル検索結果のランキングに影響します。クチコミ数が多く評価の高いビジネスは、ランキングが高くなります。ウェブ検索結果での掲載順位も考慮に入れられるため、検索エンジン最適化(SEO)の手法も適用できます。
上記の3つの要素のうち、関連度ならびに知名度は動物病院側でも対策のしようがあります。
動物病院が行うことのできるMEO対策
まずはGoogle マイビジネスのアカウントを開設し、自院のマイビジネス情報を編集できる状態にしてください。
MEO対策は以下の通りです。
1、Google マイビジネス対策
2、病院ホームページ強化(これもMEOに意味があると、公表されています。)
参照:オンラインでの宣伝効果を高める
3、病院や先生の知名度をあげる(オフライン施策)
具体的な方法は以下の通りです。
1、Google マイビジネス対策
Google マイビジネスの
・基本情報(病院紹介文章や住所、電話番号)は常に最新に保つ
・クチコミには毎回返信する(週に1度や月に1度まとめて返信する形でもOK)。毎回返信することで、悪いクチコミを書きにくくなる効果も期待できます
・院内のイベント情報は毎回投稿する
・綺麗な院内・外写真を掲載する
2、病院ホームページ
病院ホームページをきちんと見られるものにし、Googleから評価してもらうために
・スマホ対応にする
・最新情報を適宜掲載する
・病院の強みに合わせたブログ更新(コンテンツマーケティング)を行う
3、病院や先生の知名度を上げる(オフライン施策)
病院の知名度を上げることがMEOに繋がるとお伝えしました。知名度が上がったかどうかについて直接的にグーグルは測定しようがありませんが、その動物病院や先生の名前の知名度があがることによって、インターネット上でその言葉の登場回数が多くなったり、動物病院サイトが被リンクを受ける形で間接的にグーグルは知名度を測ります。
では、病院名や先生の名前の知名度をあげるにはどうしたら良いか、例えばこのような施策が挙げられます。
・先生が専門の資格を取る
・セミナーでの講師を務める
・院内の飼い主様向けイベント情報を発信し、特定の地域で情報を広める
・(大規模病院向け)テレビ取材がきやすいようなネタがあるときに、メディア向けにリリースを出す
医療サイトでは、E-A-T(専門性・権威性・信頼性)が検索順位に影響を与えるため、病院の専門性や信頼性などが増すことはとても歓迎すべきことです。
特に大事なのは「写真」と「クチコミ施策」
写真編
写真は病院の第一印象を決める非常に重要な要素です。病院スタッフがスマホで撮ったものを使うのではなく、可能な限りカメラマンを入れて撮影するようにしましょう。第一印象は飼い主様の中でずっと消えませんので、はじめから良い印象を与えましょう。
クチコミ施策編
Google マイビジネスでは、クチコミを書いてもらう機能があるのですが、この内容ならびに点数はMEOにおける順位にも影響を与える大きな要素です。
クチコミは、新規の患者さんが「この動物病院は通院するに値するか」を判断する大きな要素です。弊社ではホームページは新規の患者様を呼ぶためのツールとして位置付けていることもあり、同じ役割をはたすクチコミはMEO施策でもっとも力を入れていただきたいところです。
クチコミを集めるには、院内にクチコミを集めていることを知らせるチラシを貼ったりすることが有効です。なお、見返りを渡す代わりにクチコミを投稿してもらうのはGoogleのポリシーに違反します。
(Googleのポリシーに違反しないやり方で、クチコミを多く集めたり、良いクチコミを集めやすくする方法もありますが、目から鱗の方法だったりするので、弊社のクライアント様だけにお伝えさせていただいています)
クチコミ施策において特に大事なのは、悪いクチコミを書かれた時の対応です。
クチコミを書いてもらった際には、基本的に全てのクチコミに返信をしていただきたいのですが、悪いクチコミにも必ず返信してください。そもそも嘘のクチコミなどに該当する場合は、Googleに申請すると削除してもらえることがあります。
悪いクチコミを書かれたときの対応の仕方にこそ、その病院の姿勢が表れます。
悪いクチコミには2通りあり、1つは「事実であると確認できないもの」です。
この場合、頂いたクチコミに対しては、そのクチコミが真実でないことを「他の人にわかってもらえるように」返信を行います。例えば、このような具合です。
「当院でそのような事例があれば深く反省しなければならないところですが、当日の全ての診療内容を見返した結果、そのような事例は見当たりませんでした。もしかすると当院ではない動物病院様と認識違いをしていらっしゃるのではないかと存じます。スタッフ一同、これからも飼い主様にご満足いただけるよう、引き続き精進してまいります。」
悪いクチコミのもう1つは、「それが事実であった場合」です。
来院されたタイミング(来院頂いたものの、すぐに病状が悪化してそのまま亡くなってしまった)や飼い主様の機嫌、スタッフの言葉の選び方の問題等々で、中にはお叱りとも取れるクチコミもどうしても入ってしまいます。そもそもこのようなお声は病院運営の中で必ず定期的に発生するものではあるものではありますが、病院に非があると認められる場合には、クチコミに誠実に向き合ってお詫びし、今後の対応策・改善策について触れ、「そのクチコミを見た第三者が、この病院は信頼できる」と思ってもらえるようにしましょう。
誰しも大なり小なりミスはするものですが、大事なのはその後のフォローの仕方です。
いろいろ書いた結論は、Googleマイビジネスをしっかりと編集し、クチコミに返信し、病院サイトも強化しましょう、ということ
ここまで長く書いてきましたが、動物病院さんにやっていただきたいのは
・Google マイビジネスに登録する
・継続的にクチコミに返信する
・病院サイトもSEO強化する
ということです。
MEOという言葉の響きに難しさを感じる方もいるかもしれませんが、実際は難しいことはありません。やれるところから着手してみてはいかがでしょうか?