動物病院ホームページが考慮すべき、デザインより大事なこと
ホームページは動物病院の「芸術作品」ではない
こんにちは。株式会社HUMOの高濱です。動物病院を回っていると、ホームページをおしゃれなものにしたい、ホームページをかっこよくしたいというお声を聞くことが少なくありません。しかし、ここで考えていただきたいのは、「ホームページはあなたの芸術作品ではない」ということです。
本来ホームページは何らかの経営に役立たせる目的で活用するツールです。(参考:動物病院ホームページを経営安定化ツールとして使おう)つまり、ホームページは集客や採用のためのツールであって、作ること自体は目的ではありません。目的達成のためにはホームページという手段もあり、そのためには誰に何を情報発信する必要があるのか、を考えるようにしましょう。
誰のためのデザインか?
今回、分かりやすいように目的を集客に絞って考えてみたいと思います。目的達成のためには、飼い主に実際に動物病院まで来院いただく必要があります。動物病院の先生から「自分はこういうものが好きだから、こうデザインしたい」というお声をいただくこともありますが、私たちは「飼い主が見て、それはベストな見せ方だとは思いません」とお伝えすることがあります。
少なくない場合において、先生は「自分目線」でホームページ制作を進めてしまっています。もちろん、自己表現のための制作もあると思いますが、その場合は純粋に自己満足のホームページ作成となります。
弊社としては動物病院の先生からお聞きする「〇〇したい」というお声を、それが目的なのか、手段なのかを見極め、成果を出すことにフォーカスして制作を進めます。獣医療でもそうですが、顧客(飼い主)の意見が間違っていることもありますから、顧客のためにきちんと本質を伝えることは重要だと考えています。
「名刺代わり」として存在すれば良いという場合
一方で、「名刺代わり」としてホームページを活用している、という先生もいらっしゃいますが、そういう場合は無料でホームページ制作できるサービスを使えば十分でしょう。最近ですとこういったサービスがあります。
これらのサービスは基本的に無料ですから(有料プランもあります)、ホームページが存在していればOKだという動物病院さんでは利用をお勧めします。しかし、「成果を出す」という目的ではまだまだ戦力になりづらいのが事実です。(このあたりの理由も改めて解説します)
ホームページで、誰に何を伝えるか
では集客のためのホームページではどういった要素を考えるべきなのでしょうか?弊社ではまず次の1〜3を検討しています。
☆前提:集客を行う
- 誰のために作るのか(ターゲット)
- 何を発信するのか(コンテンツ)
- どう表現するのか(デザイン)
誰のために作るのか(ターゲット)
まずは誰に来院してもらいたいのかを明確にしましょう。対象となる飼い主像はざっくりとで結構なので想定する必要があります。例えば、地域特性を踏まえ、40〜50代女性で主に日頃の健康管理(フィラリア、ノミ・ダニ)に気を配っている方や、近隣の方でペットの不調が気になる方、少し遠くにお住まいだが整形外科の専門診療を受けたいと考えている方、などです。
このターゲット設定をきちんと決めておかないと、このホームページは誰のための情報発信ツールなんだ?と迷走してしまうことになります。
何を発信するのか(コンテンツ)
次に、ターゲットに向けて何を発信するのかを検討します。1で考えたターゲットを想定しながら、対応できることを漏れがないように掲載しましょう。
どう表現するのか(デザイン)
最後にどう表現するのか、というデザインを検討します。メインターゲットが40〜50代のケースだと、デザインは前衛的ないかにもかっこいいものよりも、内容が確認しやすく、スッキリしたものが良いでしょう。一方で30代の方をメインターゲットとする場合には、トレンドを取り入れたデザインの方が好まれるでしょう。
大事なことは自分目線ではなく、飼い主目線で考えることです。
外見よりも中身!
私たち人間にもあてはまりますが、ホームページに重要なのは外見よりも中身です。当然ながら外見が良いことも重要ですし、人の第一印象は外見で決まりますが、「デザインはカッコいいけど私が求めている情報はこのホームページに載ってない」のでは来院に繋がりません。それよりもデザインは普通だが、内容が濃く、是非通ってみたいと思わせるホームページの方がの本来のホームページの目的に沿うわけです。
どういったホームページが成果を挙げやすいのかの知見が動物病院側に無いことが多いことから、「デザインが良い=優秀なホームページ」だと思ってしまうのも理解できますが、デザインは目的達成のための1要素でしかないことはご理解いただけたのではないでしょうか。
(おまけ)とは言え、弊社ではデザインにも力を入れていますので、ご安心ください(笑)。